![]() |
No.108 化石研ニュース No.108 2010年4月28日発行 編集・発行:化石研究会事務局 〒525-0001 滋賀県草津市下物町1091番地 滋賀県立琵琶湖博物館 地学研究室内 |
第28回総会・学術大会のご案内 第28回(通算133回)総会・学術大会は下記の予定で行われます.今回は,招待講演,特別講演,シンポジウム,講演,ポスター,展示など盛りだくさんです. ■期日:2010年5月29日(土),30日(日) ■会場:日本歯科大学新潟生命歯学部(新潟市中央区浜浦町1−8) ■日程: ■プログラム■ 5月29日(土)14:00 開会 14:00-17:00 シンポジウム「バイオロジカル ミネラル」 (1号館1階 アイヴィホール) 14:00-14:05 シンポの主旨説明 「生命は地下で発生した、その化石は?」中沢弘基(物質・材料研究機構) * 中沢弘基氏は「生命の起源 地球が書いたシナリオ」新日本出版の著者です. 生命の起源にかんするお話を伺えるまたとない機会です. 14:55-15:00 小休憩 15:00-17:00 講演 S-1 笹川一郎:比較解剖学からみた歯の結晶形成における細胞の役割 S-2 筧 光夫:生体アパタイト結晶の形成機構、結晶構造の欠陥と異所性石灰化 S-3 寒河江登志朗:化石と現生のエナメル質結晶の多様性と普遍性 S-4 野川ちひろ、西田卓馬、大原 勝、馬場博子、日高祐輔、佐俣哲郎: 軟体動物殻体形成遺伝子のRNA干渉法を用いた機能解析の試み 17:30-19:30 懇親会 日本歯科大学 学内食堂 「スクエア」 (8号館1階) 5月30日(日) 10:00-11:25 一般講演(1) (1号館1階 アイヴィホール) O-1 笹川一郎:魚類エナメル質の形態と発生 O-2 高橋正志・後藤真一:ヒトの乳歯における咬耗による修復象牙質と原生象牙質の間の 組織構造と元素組成の違いに関する進化学的考察 O-3 三島弘幸 ほか:象牙質の成長線の性状とその形成メカニズム O-4 高橋啓一・出穂雅実・佐藤宏之・地球研列島プロジェクト「サハリン・沿海州班」: 北海道忠類ナウマンゾウ産出地点の再調査報告 O-5 一島啓人:現生ハクジラ類の篩骨について O-6 丸山啓志・松永 豪・野村真一・松岡廣繁: 北海道日高地方沙流川流域より産出した小型クジラ類化石について(予報) O-7 後藤仁敏・田中 猛・宇都宮聡:愛媛県西予市の田穂層(三畳紀前期)産の 板鰓類リソドゥスの歯化石と日本産三畳紀板鰓類化石について 11:25-12:00 ポスター発表・展示 コアタイム (1号館1階 ロビー) P-1 大原 勝・秋山直樹・馬場博子・野川ちひろ・日高祐輔・佐俣哲郎: イワガキ葉状層中に含まれる新規有機基質タンパク質MF25の構造と機能の解析 P-2 馬場博子・大原 勝・日高祐輔・野川ちひろ・佐俣哲郎: アコヤガイ真珠層中の不溶性膜を構成する新規タンパク質MSI80の構造解析 P-3 河野重範・櫻井 剛:2009年夏に島根半島沖の定置網で混獲されたアオイガイとタコブネ P-4 佐藤智子・渡部 正・化石確認調査班・会津化石研究グループ: 福島県喜多方市高郷の上部中新統塩坪層産ナガスクジラ科鯨類化石の追加標本 P-5 妙見町海牛化石研究グループ:長岡市妙見町の鮮新―更新統白岩層から発見された海牛化石 P-6 (招待展示)近 洋二:模型による古生物学普及 12:00-13:00 昼休み 13:00-14:00 特別講演 (1号館1階 アイヴィホール) 「ネアンデルタール人類の誕生と消滅」奈良貴史(日本歯科大学新潟生命歯学部) * 奈良貴史氏は「ネアンデルタール人類のなぞ」岩波ジュニア新書の著者で、 旧石器人類、特にネアンデルタール人類研究のエキスパートです. (講演内容は4ページを参照) 14:00-15:00 総会議事 (1号館1階 アイヴィホール) 15:00-15:50 一般講演(2) (1号館1階 アィヴイホール) O- 8 北川博道・木野村孝一・岡村喜明:大分県姫島村丸石鼻層産出足跡化石(予報) O- 9 小幡喜一・小池伯一:長野県松本市藤井付近の中新統内村累層の生痕化石 O-10 吉田唯義:甲殻類の歩行痕及び歩行形態 −多摩川本羽田干潟での観察から− O-11 石田吉明・鈴木秀史・小池伯一・寒河江登志朗・田中源吾・藤田敏彦: 長野県中部中新統伊勢山層産クモヒトデ類の古環境とタホノミー 15:50 閉会 ポスター・展示 撤去 ■特別講演要旨■ 「ネアンデルタール人類の誕生と消滅」奈良貴史(日本歯科大・新潟生命歯学部)更新世後期にヨーロッパから中央アジアに生息したネアンデルタール人類は,18世紀に発見されて以来,長きに渡り人類進化史上最も詳細に形態学的研究がなされてきた化石人類と言っても過言ではない.近年の遺伝子研究の興隆の陰に隠れがちだが,20世紀後半におけるスペインのアタプエルカやイスラエルのデデリエ洞窟などでの相次ぐ新化石の発見やマイクロCTによる内耳構造の分析などの新手法の開発により,形態学研究の成果にも著しいものがある.遺伝学と形態学的研究成果により,ネアンデルタール人類がヨーロッパ大陸を中心に独自の進化を遂げてきた成立過程がより一層具体的に明らかになり,ホモ・サピエンスとの相違もより明確になった.一方,消滅に関しても4万年前後にヨーロッパに進出してきたホモ・サピエンスにヨーロッパ西端のイベリア半島に追い詰められる様相が浮き彫りになった.演者の後頭部の形態学的研究においても,ネアンデルタール人類からヨーロッパの現生人類に進化したとされる多地域進化説は支持されず,現生人類アフリカ起源説(イブ仮説)と矛盾しない.本発表では,ネアンデルタール人類の形態学的特徴を整理し,それらの特徴の出現と消滅過程を明らかにすることによって,どうして彼らは絶滅し,我々現生人類(ホモ・サピエンス)が生き残ったのかを考察したい. | ||
| ||
○総会・学術講演会に関する連絡 ■受付・運営員会■ ■一般口演■ ■ポスター発表■ ■車で来られる方へ■ ■交通・宿泊情報■ ■懇親会■ <懇親会の申込み様式>
○総会・学術講演会についての質問は,以下にご連絡ください.
○交通アクセス ●JR上越新幹線新潟駅下車 越後線関屋駅下車、徒歩約15分 事務局だより ■ 50周年記念事業のための募金ありがとうございました.50周周年記念総会とそれに続く出版などの記念事業の実施を財政的に援助するため,会員の皆様に醵金をお願いいたしておりましたが,3月末で締め切りました.最終的には,73名の方から合計 520,090円が寄せられました.ありがとうございました. 【現在までに募金を戴いた方々】 ■50周年記念に関連する写真や情報の提供 50周年記念事業で使用する化石研の歴史に関する写真や資料,情報を集めています.お持ちの方は事務局までご一報ください.祝賀会,出版物,ホームページなどで使用させていただきます. ■2010年度会費の納入をお願いします ■紙媒体でニュースをご覧の皆さまへ | ||
|