>第24回総会・学術大会のお知らせ 2006年6月3日(土)〜4日(日)に第24回(通算125回)総会・学術大会を下記の 通り神奈川県立生命の星・地球博物館にて開催します.多くの会員の参加をお待ちしています. 会場:神奈川県立生命の星・地球博物館 日程 [6月3日(土)] 13:00〜16:20 シンポジウム「生き物を分類するってどんなこと? 〜分類学って知っていますか? 〜」 16:45〜 懇親会 (於:箱根ビール蔵) [6月4日(日)] 9:30〜10:50 一般講演 10:50〜12:00 総 会 12:00〜13:00 昼 食 13:00〜15:20 一般講演 15:20 閉 会 (運営委員会は6月3日10:00〜12:00に行います.運営委員ならびにその他の役員の方は お集まりください.詳細は,後日連絡いたします.) ※博物館の展示室は,参加名札をつけている場合,無料で観覧できます. 6月3日(土) 公開シンポジウム 生き物を分類するってどんなこと? 〜 分類学って知っていますか? 〜 【プログラム】 13:00 挨拶・主旨説明 13:10 講演1 生き物を分けること・・・・・西田治文(中央大学 理工学部) 13:40 講演2 これであなたも分類屋? ・・・・・瀬能 宏(神奈川県立生命の星・地球博物館) 14:10 講演3 DNA情報に基づいた分類の必要性 ・・・・・昆 健志(東京大学海洋研究所) 14:40 休 憩 14:50 講演4 博物館と分類学・・・・・・・佐々木猛智(東京大学総合研究博物館) 15:20 講演5 学校教育における「分類」分野の現状 ・・・小幡喜一 (埼玉県立熊谷高校)・石田吉明(東京都立千歳丘高校) 15:50 質疑応答 16:20 閉 会 (発表15分,質疑応答:5分) 【プログラム】 9:30〜 9:50 「ヒトの大臼歯にみられるエナメル真珠の組織構造と元素組成に関する進化学的考察」・・・高橋正志(日本歯科大学新潟短期大学)・後藤真一(日本歯科大学新潟歯学部) 9:50〜10:10 「日本産古生代魚類化石の新資料について」・・・後藤仁敏(鶴見大学短期大学部歯科衛生科) 10:10〜10:30 「ホルマリン固定した標本からの骨標本作製法」・・・小寺春人(鶴見大学歯学部) 10:30〜10:50 「温暖種からみた完新世に於ける対馬暖流の動向」・・・松島義章(放送大学) 10:50〜12:00 総 会 12:00〜13:00 昼 食 13:00〜13:20 「アパタイト結晶にみるフッ素神話の大罪」・・・筧 光夫(明海大学歯学部) 13:20〜13:40 「加速器質量分析(AMS)を使った古生物学試料の14C年代測定−AMSを備えた研究機関に分析依頼する際にユーザーが知っておくべきこと−」・・・鵜野 光 (国立環境研究所・化学)・米田 穣 (東大・新領域) 13:40〜14:00 「クモヒトデ化石の保存状態と酸素同位体比値との関係および酸素同位体比から推定される掛川層群土方層産クモヒトデの古生息環境」・・・石田吉明(千歳丘高校)・瀬戸浩二(島根大学)藤田敏彦(国立科学博物館)・寒河江登志朗(日本大学) 14:00〜14:20 「イケチョウガイSinohyliopsis schlegeliの真珠層における水環境の記録」・・・森井一誠(金沢大学地球学科) 14:40〜15:00 「硬骨魚類の歯のエナメル質と鱗の構造について」・・・笹川一郎・石山巳喜夫(日本歯科大学新潟生命歯学部) 15:00〜15:20 「珪化した化石恐竜卵殻の構造と組成について-偏光顕微鏡観察と結晶解析-」・・・寒河江登志朗(日本大学松戸歯学部)・長瀬あゆみ(日本大LEBRA)・筧 光夫(明海大歯学部) 15: 20 閉 会 神奈川県立生命の星・地球博物館までの交通 【電車でお越し方】 ●箱根登山鉄道 「入生田(いりうだ)」駅から徒歩3分 ※小田急線が乗り入れています。 【お車でお越しの方】 ●国道1号線「地球博物館前」交差点脇(歩道橋に表示あり) ●西湘バイパス・小田原厚木道路で来られる場合→箱根口インターで国道1号線へ (博物館まで約600メートル) ●箱根新道で箱根方面から来られる場合→山崎インターで国道1号線へ (博物館まで約700メートル) ホームページ: http://nh.kanagawa-museum.jp/index.html 随 想 『アメリカ大学研究生活46年』(8) 南カロライナ大学 名誉教授 渡部 哲光 第二期 バイオミネラリゼーション研究事始 また、米国滞在期間は9月16日から58年6月31日までの延長が三重の大学から許可されたので、後10カ月ばかりの余裕がある。実は、私はこちらにいる間に少なくとも始めておきたかった自分の研究課題があった。それは、「序」でもちょっと触れたように、現在言うところのバイオミネラリゼーション機構、即ち‘生体鉱物形成機構’である。当時はそのようにはっきりと独立した分野は無かったが、私は‘生鉱物’と呼んでその一部としての‘貝殻(そして真珠の)形成機構’の解明を日本にいた時から少しずつ手掛けていた(注4)。貝類がどのようにして炭酸カルシウム鉱物を作るのか、そして炭酸カルシュウムが霰石(アラゴナイト)、方解石(カルサイト)、或いはヴァータライトとして晶出するのはどうゆう仕組みによるのかの研究である。私はコンキオリン、即ち貝殻の有機基質がこれらに重要な役を果していると考えていたので、この問題に取り組んだら如何と教授に提案した。アメリカでは専門領域に固執しないだろうとひそかに期待していたのである。ところが、結晶形成の問題は生物学では取り扱わないといわれ、その時は大変失望した。 仕方なく、このテーマの一部であって、しかもここで行った研究に近い、貝殻結晶成長過程の電顕研究をつづけることにした。その他に、教授が物理学のゴーディ教授(Prof. Walter Gordy)と共同で行っている、ラット諸器官の Free radical(遊離基)の Paramagnetic Resonance - 常磁気共鳴 - による検出を手伝うことにもなった。前者はボーフォートで新たに採集したカキの貝殻を使用し、以後数年間継続研究の結果、成果が上がって、前回と同じ雑誌に1960年に教授と連名で論文を発表した(なおこの論文では 勿論Nacreous layerと呼ばず、正しい名称のCalcitostracumを使用した)。後者は、ゴーディ教授 の Research Associateとして東大から来ている M 博士が測定を担当していて、4者協議の結果、ボーフォートで採集したウニの一種、Arbacia punctulata などの無脊椎動物をも使用することになった、詳細は省くが、私の役は、これらの動物を解剖し、各器官を適当な緩衝液で培養し、液体窒素で凍結後、真空乾燥し、粉末にして物理研究室に運び、測定結果を待つというものであった。この仕事も意外な結果が出て、1958年に PNAS (Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America) に4人連名で論文が出た。これらはそれ自体ちょっとした業績だったのだが、実はその初期、即ち、1957年の10−11月ごろ、私の研究を生涯にわたって大きく支配する2つの‘事件’が起こったのである。 その一つはベルギーの世界的生化学者フローカン教授(Professor Marcel Florkin)が研究室を訪れ、数箇月滞在したことに端を発する。10月のある日、彼とウィルバー教授は私を交えて3人で貝殻の化学組成についてデイスカッションをした。その時、フローカン教授から貝殻のアラゴナイト・カルサイト形成機構についてどう思うかと質問されたので、私は実験して見ないとわからないが、有機基質がこれら多形の晶出に関与しているのではないかと思うと話した。彼も同意見で、各層の有機基質分析の必要性を認めた。この時ウィルバー教授は殆ど意見らしいものは出さなかったが、数日後、少し照れたような顔で「何時かは否定したが、今回新たにアラゴナイト・カルサイトの問題を取り上げることにしたから、もし計画があるならそのディスカッションをしよう。」と私に告げた。 私はフローカンのような大学者が云わないと納得しないのかと少々気持ちを損ねたが、考えてみれば、ウィルバーは諸学会の役員や、合衆国原子力委員会委員、国連委員、複数の国の大学委員などを務め、名実共に国際学会の重鎮である。だから彼ほどの学者にとってはフローカン教授は信用出来ても、助教授にはほど遠く、大した業績も挙げていない駆け出しの私などの言うことなどはそれ程の重要性を認めないのは当然だったと思う。 しかし兎に角、念願の実験が出来ることになったことはうれしい限りで、早速これに着手した。先ず始めは、各種貝殻を脱灰して有機基質を抽出し、これが貝殻特有の多形結晶の形成を促進するかをin vitro, in vivoでテストするものであった。いずれの場合でも、アラゴナイトの貝殻層基質にはアラゴナイト結晶が形成された。形成率はそれほど高くはなかったが、実験は貝殻層の有機基質〔有機基質に溶解性成分のあることはクレンショー(Miles A. Crenshaw)が1970年に発見したのであって、それまでは、不溶性基質しか扱わなかった〕が炭酸カルシウム結晶の多形形成の要因なることを示唆するものとして、1960年10月号のNatureに発表した。それ以後数年間は、各種貝殻有機基質の微細構造の電顕研究、及びX線回折を行った。前者は矢張り医学部のRCA―EMU2を、後者は東キャンパスにある地質学科の装置を使用した。これが私のアメリカでの本格的な‘バイオミネラリゼーション’研究の始まりだった。1960年の初めにはハーヴァード大学医学部付属病院マサチューセッツ総合病院(MGH)でフェルナンデス・モラン教授(Prof.Fernandez-Moran)から貝殻の電顕観察切片をダイヤモンド・ナイフで作ることを学んだが、このことについては化石研究会会誌Vol.36,26-28(2001)に述べたのでここでは省略する。 (つづく) 4月4日〜12月10日 ●群馬県立自然史博物館「奥利根 その自然をさぐる」 〜5月7日 ●相模原市立博物館「相模野台地の火山灰−火山灰の地層を調べよう」 〜6月18日 ●信州新町化石博物館「信州新町化石博物館研究報告第9号速報展」 4月22日〜9月24日 ●豊橋市自然史博物館「ユカギルマンモスミュージアム」 4月 8日〜6月18日 ●三重県立博物館「三重の天然記念物−地質鉱物」 〜5月21日 ●兵庫県立人と自然の博物館「古生代の世界」 〜6月11日 ●日本・モンゴル民族博物館(豊岡市)「モンゴル大恐竜展」 4月15日〜7月 9日 ●徳島県立博物館「奇跡の化石たち」 4月28日〜6月18日 中沢 弘基 (著) (2006/04) 新日本出版社 ¥1,995(税込)」 「新・佐賀の化石」 岸川 昇 (著)(2006/04)佐賀県高等学校教育研究会理科部会地学部会¥1,260(税込) 「北海道 探そうビルの化石」 ★★会員の本★★ 木村 方一 (著), 高久 宏一 (2006/04) 北海道新聞社 ¥1,575(税込) 「東ユーラシアの生態環境史 世界史リブレット 」 上田 信 (2006/04/26) 山川出版社 ¥765(税込) 「GADV仮説―生命起源を問い直す 」 池原 健二 (著) (2006/04) 京都大学学術出版会 ¥1,575(税込) 「被子植物の起源と初期進化」 高橋 正道 (著) (2006/03) 北海道大学出版会 ¥8,925(税込) 「日本列島の自然史」 国立科学博物館叢書 国立科学博物館 (編集) (2006/03) 東海大学出版会 ¥2,940(税込) 「図解入門 最新地球史がよくわかる本―「生命の星」誕生から未来まで」 川上 紳一 ・東條 文治 (著) (2006/03) 秀和システム ¥1,995(税込) 「地球史入門」 沓掛 俊夫 (著) (2006/03) 産業図書 ¥2,415(税込) 「遺伝子から生命をみる―分子生物学の誕生と発展 」 関口 睦夫 (著)(2006/04) 共立出版 ¥2,835(税込) 「ゲノム進化の読解法 」 岩波 科学ライブラリー 岸野 洋久 (著) (2006/02) 岩波書店 ¥1,260(税込) 「解剖男」 講談社現代新書 遠藤 秀紀 (著) (2006/02) 講談社 ¥756(税込) 「化石硬組織の構造・形成・進化 英文版 」★★会員の本★★ 小林 巖 (著) 単行本 (2006/02) 東海大学出版会 ¥3,560(税込) 「眼の誕生―カンブリア紀大進化の謎を解く」 アンドリュー・パーカー (著) (2006/02) 草思社 ¥2,310(税込) 「絶滅古生物学 」 平野 弘道 (著) (2006/02) 岩波書店 ¥3,990(税込) 「ゲノム進化の読解法 」 岩波 科学ライブラリー 岸野 洋久 (著) (2006/02) 岩波書店 ¥1,260(税込) 「地球のはじまりからダイジェスト 地球のしくみと生命進化の46億年」 西本 昌司 (著) (2006/02) 合同出版 ¥1,680(税込) 「進化生物学への道―ドリトル先生から利己的遺伝子へ グーテンベルクの森」 長谷川 眞理子 (著) (2006/01) 岩波書店 ¥1,890(税込) 「藻類30億年の自然史―藻類からみる生物進化 」 井上 勲 (著) (2006/01) 東海大学出版会 ¥3,990(税込) 「ダーウィンと原理主義 ポストモダン・ブックス」 メリル・ウィン デイヴィズ (著)(2006/01) 岩波書店 ¥1,575(税込) 「藻類30億年の自然史―藻類からみる生物進化」 井上 勲 (著) (2006/01) 東海大学出版会 ¥3,990(税込) ■会費の納入をお願いします 2006年度会費の納入をお願いします. 年会費 4000円(学生2500円) 郵便振替 00910-5-247262 「化石研究会」 編集・発行:化石研究会事務局 〒525-0001 滋賀県草津市下物町1091番地 滋賀県立琵琶湖博物館 地学研究室内 TEL. 077-568-4828 FAX. 077-568-4850 http : //www.kaseki.jp ![]() |