化石研究会 第158回例会の報告
第158回化石研究会例会が2019年11月26日(日),群馬県富岡市の群馬県立自然史博物館で同博物館との共催事業として開催されました.
午後1時30分から2時30分まで,群馬県立自然史博物館の学習室で,講師に郡司芽久氏(東洋大学生命科学部助教)をお招きして,講演会「キリンの骨ってどんなかたち?骨からわかる生き物の進化」
が行われました.参加者は化石研究会会員13名,博物館募集による参加者39名,合計52名でした.
キリンの骨の数,中手骨の長さ,蹄の大きさ,頭骨の長さの三択問題を出題され,参加者はそれに引き込まれて,キリンの骨格・大きさを理解することができました.次に,偶蹄類の角には3つの種類があること,また,化石のキリンの角にはいろいろな形のものがあること,キリンの系統,キリンの頭骨には性差があり,雄のものは大きく,骨が厚いということを説明されました.そして,長い首をささえる棘突起と靭帯を示され,キリンの解剖学的特徴を分かりやすく解説していただきました.
講演会終了後,講演会を行った学習室の隣の実験室で,4時過ぎまで講師を囲み茶話会を行いました.12人の参加者の自己紹介・近況報告などを行い,講演では聴くことのできなかった,キリンの血圧や系統分類,デスポーズなどに関する質疑,また,さまざまな話題で,楽しい時間を過ごすことができました.
なお,博物館から招待券をいただき,常設展と企画展「ポケモン化石博物館」を観覧しました.ネットに依る観覧予約が必要とのことでしたが,多くの親子連れが来館していました.
今回の例会全般を企画され,会場の運営全般についてお骨折りいただきました群馬県立自然史博物館の髙桒祐司会員・木村敏之会員,ご講演いただきました郡司芽久氏に感謝申し上げます.
(小幡喜一)

第41回(通算第157回)総会・学術大会報告
6月3日~4日に化石研究会の第41回(通算第157 回)総会・学術大会が山形市の山形テルサで開催され,盛会のうちに終了しました.台風で交通機関の乱れも心配されましたが,シンポジウム,一般講演の演者は誰も欠席することなく実施することが出来ました.
今回は4年ぶりで対面での実施となり,ZOOMでの参加や発表もあり,ハイブリッドの総会・学術大会になりました.シンポジウム,総会,一般講演,山形県立博物館の見学などが行われました.3日のシンポジウムでは「東北・北海道の鯨類化石研究の現在と展望」の題名で7名の講演者からそれぞれの鯨類に関する最近の研究成果が報告されました.4日の一般講演では,8名の口頭発表があり,現生底生有孔虫の研究から始まり,軟体動物化石,カメ類化石,魚類の咽頭歯化石,鱗,歯石,陸橋による生物地理の議論など内容が多岐に渡り,質問も活発に行われました.シンポジウムと一般講演ともに,たいへん有意義な会になりました.会員や非会員を含めて参加者としては28名で,またズーム参加者3名の合計31名でした.3日夜の懇親会は23名の参加があり,大いに盛り上がり,久しぶりの交流ができ,好評でした.4日午後の山形県立博物館の見学は22名の参加者でした.
山形県立博物館の長澤一雄会員や瀬戸大暉会員には開催の準備や当日の設営,懇親会の設定など大変お世話になりました.また,山形古生物研究会の方々には,受付の援助をいただきました.改めて厚くお礼申し上げます.
(三島弘幸)
プログラムは,化石研ニュース 148号 をご覧ください。
「学芸員の重要性についての声明」を公表 2017年4月25日
創設50周年記念出版
「化石から生命の謎を解く--恐竜から分子まで」
化石研究会編・朝日新聞出版(2011年4月)
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