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最終更新日:2023年12月 2日


第41回(通算第157回)総会・学術大会報告

6月3日〜4日に化石研究会の第41回(通算第157 回)総会・学術大会が山形市の山形テルサで開催され,盛会のうちに終了しました.台風で交通機関の乱れも心配されましたが,シンポジウム,一般講演の演者は誰も欠席することなく実施することが出来ました.
 今回は4年ぶりで対面での実施となり,ZOOMでの参加や発表もあり,ハイブリッドの総会・学術大会になりました.シンポジウム,総会,一般講演,山形県立博物館の見学などが行われました.3日のシンポジウムでは「東北・北海道の鯨類化石研究の現在と展望」の題名で7名の講演者からそれぞれの鯨類に関する最近の研究成果が報告されました.4日の一般講演では,8名の口頭発表があり,現生底生有孔虫の研究から始まり,軟体動物化石,カメ類化石,魚類の咽頭歯化石,鱗,歯石,陸橋による生物地理の議論など内容が多岐に渡り,質問も活発に行われました.シンポジウムと一般講演ともに,たいへん有意義な会になりました.会員や非会員を含めて参加者としては28名で,またズーム参加者3名の合計31名でした.3日夜の懇親会は23名の参加があり,大いに盛り上がり,久しぶりの交流ができ,好評でした.4日午後の山形県立博物館の見学は22名の参加者でした.
 山形県立博物館の長澤一雄会員や瀬戸大暉会員には開催の準備や当日の設営,懇親会の設定など大変お世話になりました.また,山形古生物研究会の方々には,受付の援助をいただきました.改めて厚くお礼申し上げます.

(三島弘幸)

    

プログラムは,化石研ニュース 148号 をご覧ください。


第156回 化石研究会例会(オンライン開催)の報告

 2022年11月6日に化石研究会第156回例会が、講演「最新の野尻湖発掘の成果について」と題し、野尻湖ナウマンゾウ博物館を拠点として、オンライン(Zoom)で34名の参加者で行われた。この例会は、コロナ禍前に対面で行われる予定であったが、オンラインで行われることになった。  私は、例会に初めて参加したが、興味深い講演で、野尻湖発掘調査団での議論を再確認することができた。
 講演1では、発掘地で場所が変われば、地層が堆積した環境は大きく変わることが説明され、特に今年3月に発掘した場所は、産出された化石の多くは、流されてされてきたものでないこと(現地性)や当時の「波打ち際」であることが説明された。
 講演2では、キルサイトの状況証拠について報告があったが、まだまだ不十分であること。前期旧石器時代の証拠が見つかっていないこと。骨器の出土が少ないことが問題点としてあげられた。
 講演3では、過去産出された骨の割合は、骨片を含めて、15,989点の脊椎動物化石が産出していることが示された。そのうちナウマンゾウが90.3%を占め、ヤベオオツノシカが9.4%を占めていた。層準別産出状況は、T1〜T3ユニットの産出が全体の55.4%、T7ユニットが16.9%であった。単位体積(1m3)、単位時間(1ka)当たりの化石産出量の層準別解析では、T4〜T6が最も多いことが示された。
 講演が終了したあと、野尻湖ナウマンゾウ博物館の展示紹介が、学芸員の関めぐみさんによって行われた。
 今回の講演を聞いて、今までの発掘の成果が人類の存在証拠がまだまだ不十分であることの理解が深まった。日本に前期旧石器時代の人類がいたことを信じて、今後も野尻湖発掘調査団の一員として、発掘に関わりたいと感じた例会であった。

(小林康夫)


第40回(通算155回)化石研究会総会・学術大会の報告

 第40回(通算155回)化石研究会総会・学術大会が2022年7月10日(日)にオンライン開催された.大きなシステムトラブルもなく,40名以上の参加者があり盛会であった.
 午前中10:00−12:10はシンポジュウム「足跡学 ―その現在と今後の展望―」が行われた.現在活躍中の若手研究者と第一人者による講演で,化石研が創設当初から3本柱の一つとしてきた古生態の研究分野である,足跡化石研究の現状と歴史が,よくわかる内容であった.
 最初に,津 翔平 氏(岐阜県博物館)が,足跡化石から見た”群れ”の集団行動について,同一層理面上に残された,複数の足跡化石の並び方から,恐竜類の集団の規模や組織的な行動,構成の多様性や協調性など,行動学的・生態学的特徴をとらえる方法を示された.そして,タイ東北部の恐竜足跡化石産地の研究により,移動方向・速度の異なる2つのグループを識別し,1グループには一定の集団の移動を確認し,個体サイズに2つのピーク(性差?)を確認した成果を報告された.
 つぎに,築地 祐太 氏(福井県立恐竜博物館)が,足跡化石分類学の現状と課題を議論した.足跡化石は生痕化石の一つとして,形態種である生痕化石タクソンとして命名されること,足跡化石の輪郭描画方法の混乱や足跡化石の保存の問題があったが,2000年代から3次元データを用いる手法が推奨され,客観的に描画が得られるようになり,足跡化石の記載における3次元データの収集と普及のために論文の出版に合わせて無料で公開することが求められるようになったことを紹介された.また,生痕化石タクソンの乱立や,印跡動物に基づく分類などが,近年,再検討・整理が行われつつあることを示された.
 最後に,石垣 忍 氏(岡山理科大学恐竜学博物館)は,「足跡化石研究40年.その中から見えてきたこと」と題して,足跡化石の発見から現在までの足跡化石研究を概観し,演者の40年にわたる足跡研究の成果と課題,今後の展望を講演された.恐竜の足跡化石は,Iguanodonの歯の発見より20年前の1802年で,19世紀から多くの足跡化石の研究が行われてきた.1960年代末から1970年代にかけて,OstromによるDeinonychusの研究を契機として,恐竜の姿勢・運動が大きく見直され,社会性の記録としての足跡化石に注目が集まり,研究者も増え,新発見が相次ぐようになったことを紹介された.そして,世界中に足跡研究が広まり.学術研究が進んだ.演者は今後のブレークスルーには,小さな足跡化石や,広い地層面上の膨大な足跡化石に取り組むことが必要との考えを示された.
 午後は総会(13:00−13:50)と個人講演(口頭発表のみ,7題)が行われた.個人講演の内容詳細は講演要旨(前掲)を参照して欲しい.その後,16:00−17:00,岡山理科大学恐竜学博物館バーチャル見学が実施された.通路や階段下など学内の空きスペースを使った恐竜類の展示や,野外の露頭の説明や恐竜時代の植物園など,非常に工夫されていて楽しいものであった.
 今回の参加者は42名で,その内訳は,会員25名,非会員17名であった.また,階層別では,一般34名,学生・院生5名,加えて高校生・中学生・小学生各1名でした.昨年同様にオンライン開催のため,非会員が多く,ひろい階層が参加した.
 今回のシンポジウム,バーチャル博物館見学を企画運営していただいた石垣 忍会員には大変お世話になりました.感謝申し上げます.

(小幡喜一)


第154回 化石研究会例会(オンライン開催)の報告

 第154回化石研究会例会が,2021年12月19日(日)に開催されました.例会は通常,対面式で行っておりますが,今回はコロナ禍の影響により,オンライン上での実施となり,当日は25名の参加がありました.今回の例会は「化石研究会とともに歩んだ古生物学50年」と題して,当研究会会員の仲谷英夫先生(元鹿児島大学理学部)が,これまでのご自身の研究活動を化石研究会での活動とともに講演されました.仲谷先生は2020年度末に鹿児島大学をご退職され,当初,仲谷先生の退官記念行事が予定されており,先生のこれまでのご活躍を振り返る予定でした.しかしコロナ禍の影響で中止となり,この度の例会がその機会となったとのことです.
 講演は仲谷先生の大学入学以前のころから始まり,当時から古生物に関心を持っておられたことが語られました.北海道大学に入学してからは北海道で地質や化石の調査・研究に取り組まれ,大学院に進学されてからはのちにご専門となる古脊椎動物の研究に着手されたことが紹介されました.修士および博士課程を通じて,北海道で発見された首長竜の研究や復元に携わったこと,イランやアフリカの哺乳類化石に関する分類や動物相の変遷に関する研究といった,多岐にわたる研究活動を行っていたことが伺えました.そしてケニアの駐在員を経て香川大学の教職へ着任され,その後に鹿児島大学へ移られ,この間に行った研究が紹介されました.ケニアやエチオピア,タイ・中国では古類人猿化石の調査にも関わり,哺乳類化石の分類学だけに留まらず,その食性推定や生層序の確立など,古類人猿の生態や進化時期を考察するうえで重要な研究を展開されました.
 個人的な話題で恐縮ですが,私は鹿児島大学の大学院生として仲谷先生の研究室に在籍しておりました.アフリカやユーラシアにおける哺乳類化石や古類人猿化石に関する研究のお話をたびたび伺っておりましたが,今回の講演ではそうした研究に取り組むに至る詳しい経緯や,学生時代に過ごされたお話をより詳しく伺うことができました.私を含め仲谷先生の研究室では当時,脊椎動物化石の研究を行った大学院生が多数在籍しておりました.学生たちは哺乳類化石のみならず,さまざまな分類群を扱っており,またそれぞれ異なった研究テーマに取り組くんでいました.このような多様で自由な研究を学生が行えたことは,仲谷先生の幅広い研究経験に基づいたご指導によるものだと感じております.学生のなかには博物館等で活躍されている方々が多数いらっしゃいます.私自身もアフリカの哺乳類化石を研究する機会を頂戴し,現在も継続しております.仲谷先生が長らく続けてこられた研究分野でもあることから,微力ながら貢献したいと改めて思い直しました.
 最後になりましたが,このたびの例会の配信・運営に携わった東京都市大学の中島保寿会員には,大変な状況の中で例会の準備をして頂いたことに厚く御礼申し上げます.

(半田直人)


質問に答える仲谷会員(Zoom画面から)


第39回(通算153回)化石研究会総会・学術大会(東京都市大学)の報告

 第39回(通算153回)化石研究会総会・学術大会が2021年8月31日(火)に東京都市大学主催でオンライン開催されました。昨年度はコロナ禍で実施見送りでしたので、2年ぶりの学術大会となりました。また、化石研史上初めてのオンライン開催学術大会でしたが、たいしたシステムトラブルもなく、90名近くの多くの参加者があり盛会でした。

  午前10:00−12:00はシンポジュウム「微細構造解析に基づく化石・硬組織の最新研究」が行われました。化石研が創設当初から3本柱の一つとしてきた、微細構造解析の新たな展開の現状がよくわかりました。大別すると、形態解析と元素・同位体分析からの生態・古環境復元になるかと思います。中島保寿会員の「化石骨の微細構造解析によって解明する古脊椎動物の成長・生態および進化」では、三畳紀海棲爬虫類での外骨格系皮骨と内骨格系椎骨棘突起の融合など、化石骨組織研究における最新の成果のいくつかが紹介されました。三島弘幸会員からは「μCTや各種分析機器を用いた化石種と現生種における口腔領域の硬組織解析」という演題で、デボン紀のユーステノプテロン、白亜紀のモササウルスの歯と顎などをCT・μCTで構造解析を行い、また顕微ラマン分光法などで歯の構成結晶解析を行った研究が紹介されました。白井厚太朗氏による「化石試料の微小領域分析による古環境・古生態復元」では、近年の微小部分析手法の向上により、より高い精度での古環境・古生態復元が可能になった例が、二次元高空間分解能二次イオン質量分析装置によるプロトコノドントの年代測定と、ティラノサウルス類大腿骨骨組織の微小領域元素分析の研究で示されました。リン酸塩鉱物に関する研究はこれから大きく発展する、とのこと。平沢達矢氏の「シンクロトロン放射光X線マイクロCTを駆使したデボン紀脊椎動物化石の骨格形態および微細組織構造の解析」では、その所属が謎であったデボン紀のパレオスポンディルスを、大型放射光施設Spring-8のシンクロトロン放射光X線マイクロCTで形態解析した結果、未知だった詳細な特徴がわかり、硬骨魚類とされたこと、が紹介されました。最新の大型分析機器は高価で、設置施設も限られ、誰にでもすぐ使えるものではないのですが、高級機器ほど共同利用になっていることもあり、共同研究で道が開けるのではないでしょうか。また、通常の光学顕微鏡レベルで進められるテーマの研究も多くあると思いました。午後は総会(13:00−13:40)と個人講演(口頭発表のみ、10題)・総合討論(13:45−17:00)でした。個人講演の内容詳細は講演要旨(前掲)を参照してください。それぞれ熱の入った講演で時間が押し、最後の総合討論の時間が約15分と短く、物足りない感じで心残りとなったほどでした。

 今回の参加者は会員31名、非会員57名と、非会員参加者が会員の約2倍近くに達しました。また、階層でも、一般50名、学生・院生30名、加えて高校生5名、小学生3名と幅広く、従来の学術大会の参加者構成とは大きく変わっています。報告者は今回の学術大会の事前広報方法を承知していないので、その点は盛り込めないとしても、各講演の内容は専門的だったにもかかわらず、化石への強い関心と、シンポジュウム講演者が現在活躍中の若手研究者だったこと、加えて参加しやすいオンライン環境が原因のように思います。大学の授業や学会の研究集会・学術大会なども対面とオンラインの併用が検討されていると聞きます。広く開かれた学術活動を目指すのですから、今後は研究集会も対面を基本としながらも、オンラインの利点も生かしたハイブリッド活用も考えたほうがいいかもしれません。 今回、東京都市大学の中島保寿会員と学生・院生の方々にはオンライン会議の主催・運営をしていただき、大変お世話になりました。感謝申し上げます。

(笹川一郎)

当日のプログラムは,化石研ニュース 142号(2021年 8月 8日発行)をご覧下さい。


第38回総会が実施されました

 2020年度の 第38回総会は、新型コロナウイルス感染症 (Coronavirus Disease 2019: COVID-19) の拡大防止のために、当初春の予定を秋に延期しました。それでも、対面での集会式での開催は困難と判断し、通信等(電子メール、FAX、郵便)を用いて実施することといたしました。そして、本年度は特例として化石研ニュースと通信等(電子メール、FAX、郵便)を用いて実施することになりました。

 紙上総会となった第38回総会は,すべての議案に対する反対意見は無く,可決成立いたしました。


第152回化石研究会例会が開催されました

 第152回 化石研究会例会が2019年11月2日(土)・3日(日),兵庫県三田市の県立人と自然の博物館と,兵庫県丹波市・丹波篠山市で開催されました.

 11月2日(土)は,午後1時から5時まで,兵庫県立人と自然の博物館の大セミナー室で,シンポジウム「パレオアートと博物館」が行われました.
 古生物や古環境の研究結果を一般市民に伝える強力なツールであるパレオアートは,研究者の緊密な共同作業により作成されています.解剖学的な知見に忠実な絵画や塑像の作成,デジタル技術を積極的に活用した復元図の作成,現生生物と化石の色素の研究から絶滅動物の体色復元に携わった生物学者,復元景観図で重要な古植物 を研究している古生物学者から,それぞれ非常に興味深い話題を提供していただきました.そして,パレオアートの進むべき方向,さらには 博物館における重要性について議論がなされました.参加者は26名でした.

 シンポジウム終了後は,三田駅前の大衆焼肉ホルモンやまだで,懇親会を行いました.

11月3日(日)は,三枝春生会員の案内で6名が参加して,丹波市と丹波篠山市の,篠山層群が分布する「丹波地域恐竜化石フィールドミュージアム」の巡検が行われました.化石産地は厳格覚に保護され,拠点施設には産出化石とパレオアートが展示し,化石剖出の作業場が見学できるようになっています.
 午前9時に博物館をスタートし,「丹波竜化石工房 ちーたんの館」で丹波竜(Tambatitanis amicitiae )の産状と大きな復元骨格を見学.次に,丹波竜の発掘地に行きました.層厚1000mに及ぶ河川堆積物で,氾濫原堆積物の赤色泥岩中から化石が発見されたとのこと.その後,丹波並木道中央公園にある「篠山市立太古の生きもの館」に行きました.公園造成時に発見された恐竜類が展示・紹介されていました.最後に原始的な真獣類のササヤマミロス・カワイイ (Sasayamamylos kawaii )の下顎骨が発見された露頭に行き,午後3時ころ博物館に戻りました.発掘された恐竜類とその露頭を目の前にすることができ興奮の連続でした.

 今回の例会全般を企画され,会場や巡検の運営全般についてお骨折りいただきました兵庫県立人と自然の博物館の三枝春生会員,また,運営のお世話をいただきました同館の地質関係のスタッフ6名と博物館ボラン ティアの皆様に感謝申し上げます.


シンポジウムの講演のようす

シンポジウムの総合討論のようす

巡検.「丹波竜化石工房 ちーたんの館」にて

巡検.丹波竜化石発掘地の地層観察のようす

当日のプログラムは、化石研ニュース 136号(2019年10月 6日発行)をご覧下さい。


第37回化石研究会総会・学術大会(通算151回)が開催されました

第37回化石研究会総会・学術大会(通算151回)が2019年7月20日(土)・21日(日),埼玉県長瀞町の埼玉県立自然の博物館の講堂で,同館と共催で開催されました.

 20日はまず,11時から12時,一般普及講演「古秩父湾を泳いだクジラたち―チチブクジラとクジラの進化―」が行われました.13時からは,シンポジウム「化石研究の成果を多様に活かす〜妖怪から天然記念物まで〜」が行われ,地域との様々な結びつきの中で,化石をどのようにとられてきたかという郷土誌研究や,住民とともに化石を調査・研究し,その成果を地域住民との協働で活かし,文化財などとして保護してきた博物館の実践が報告されました.化石研究者だけではなく,広く文化財や社会教育関係者に関わる内容でした.参加者は52名でした.その後,会場近くの勉強屋で,19名が参加して懇親会を行いました.

 21日はまず,14名が参加して国の天然記念物「古秩父湾堆積層及び海棲哺乳類化石群」の巡検が行われました.朝7時半から小鹿野町の宿舎から徒歩で,「パレオパラドキシア津谷木標本」産地の般若の丘公園を散歩しました.その後8時15分からバスに乗り,小鹿野町の「ようばけ」,秩父市の「取方の大露頭」,皆野町の「前原の不整合」を観察し,10時15分に県立自然の博物館に到着しました.

 10時半から12時15分に口頭による一般講演,昼休みを挟んで13時から総会議事が行われ,14時からはポスターによる一般講演が行われ,15時に終了しました.一般講演の参加者は,31名でした.

 今回の総会全般を企画され,会場や運営全般についてお骨折りいただきました,埼玉県立自然の博物館の北川博道会員に感謝申し上げます.


シンポジウムのようす

懇親会.真野元会長の音頭で乾杯

巡検.ようばけの宮沢賢治・保阪嘉内歌碑前で

大会終了後.埼玉県立自然の博物館玄関で

当日のプログラムは,化石研ニュース 135号(2019年 7月 6日発行)をご覧下さい。


 

第150回例会(鹿児島)が開催されました

第150回例会が2018年11月10日(土)・11日(日),鹿児島市で開催されました.
 10日は13時から,鹿児島大学理学部101講義室で,シンポジウム「3次元データとその解析に関する研究の最前線」が行われました.前半は,3題の講演が行われました.化石や現生動物の形態を詳細に3次元的に検討することから,食性や環境の復元を行う研究や,形態発生と系統進化の検討を話題とした講演がありました.後半は,2題で足跡化石の3次元的記載技術の検討と,恐竜および長鼻類が変形して保存された不完全な標本からの3次元復元の講演がありました.いずれも新しい手法や3D技術を駆使した新知見が示され,熱の入った討論により,終了が予定時刻の17時を10分ほど超過しました.参加者は24名でした.その後,学内の生協レストラン「ガロア」で,懇親会を行いました.
  11日は10名が参加して,10時から12時すぎまで,鹿児島県立博物館の見学でした.最初の本館では,3階の今年リニューアルされた「鹿児島の人びとと自然のつきあい方」と2階の「鹿児島の自然」を見学しました.別館宝山ホール4階の「化石展示室」では,南北アメリカ大陸の,いろいろな化石が展示されており,その図録を参加者全員に分けていただきました.それぞれの分類群について,その分野を研究している参加者からコメントがありました.また,展示されていた種子島の西之表象について,発掘に携わった会員から,当時の発掘のようすや,その後の研究成果についても,お話しがありました.
 この例会に参加していた2名の学生さんが,これを機に化石研究会に入会申込みをされました.嬉しいことです.今回の例会全般を企画され,会場や運営全般についてお骨折りいただきました,鹿児島大学の仲谷英夫会員に感謝申し上げます.


シンポジウムのようす

鹿児島県立博物館本館3階

懇親会での記念写真

鹿児島県立博物館分館「化石展示室」

当日のプログラムは,化石研ニュース 133号(2018年10月17日発行)をご覧下さい。


第36回総会・学術大会(那須烏山)が開催されました

  第36回化石研究会総会・学術大会(通算149回)が2018年6月2日(土)・3日(日)の2日間,日本ジオパーク加入に向けて様々な活動をしている栃木県那須烏山市の烏山公民館で,那須烏山市・那須烏山ジオパーク構想推進協議会・栃木県立博物館の全面的なバックアップにより開催されました。

  初日はシンポジウム「北関東の大地と化石」が午後1時から開催され,那須烏山市長 川俣純子様の挨拶をいただき,河野重範会員(栃木県立博物館)の趣旨説明に続き,酒井豊三郎氏(宇都宮大学名誉教授)による基調講演「日本列島の形成史における北関東地域の重要性」をはじめ,北関東地域の,プレート運動による地質構造発達の復元・貝類化石・鯨類化石・地形・学校での実践・ジオパーク実現に向けての5本の講演が行われ,予定時刻の午後5時を過ぎる,熱心な総合討論が行われました。参加者は会員22人をはじめ,那須烏山市長・那須烏山ジオパーク推進協議会想関係者なども含め合計65名でした。懇親会場には市のバスで移動し,22名が参加しました。

  2日目の一般講演には会員18名,非会員23名の合計41名が参加し,午前10時から午後3時20分まで,会員の講演の他に那須烏山ジオパーク構想推進協議会の中学生のジオサイト調査報告を含めた活動状況に関する3つのポスターもあり,たいへん盛り上がりました。昼休み前の総会では,事務局提案の報告・議事が承認されました。午後の講演終了後の巡検には20名が参加し,ジオパーク推進協議会のボランティアガイドの案内で,市のバスに乗り込み公民館から車中見学,そしてジオサイトの1つである迫力のある「龍門の滝」の見学を行いました。

  今回は2日間でのべ106人の参加者が集まり,これを機に2名の方が入会されました.会場や運営全般,さらに宿舎やバスの手配などについてお骨折りいただきました,那須烏山ジオパーク構想推進協議会,栃木県立博物館の河野重範会員に感謝申し上げます.

会場 烏山公民館の玄関 シンポジウム「北関東の大地と化石」
一般講演 ポスター会場 巡検「龍門の滝」での記念写真

当日のプログラムは,化石研ニュース No.132 をご覧下さい。


第148回例会(久慈)が開催されました

第148回例会が10月7日と8日の2日間、平山 廉会員が世話人となり,岩手県久慈市で開催されました。参加者は会員のほか,久慈市長・教育長・市民,化石ファンの秋田県・青森県の小学生なども含め64名でした.
 13:00からポスターセッションが行われました.13:30からは,シンポジウム 「久慈で見つかった恐竜時代の生き物たち」が行われ, 10本におよぶ多方面の講演がありました.小学生からも活発な質問があり,17:50まで討論も盛り上がりました.
 19::00からは,久慈琥珀博物館のレストランビストロくんのこに会場を移して,懇親会が行われ,さらに,多くの参加者が宿泊した,ホテルみちのくでも2次会が行われ,大いに懇親を深めました.

 8日(日)には,26人の参加で『巡検<久慈層群玉川層>』が行われました.8:30,駅前のホテルみちのくに荷物をあずけて出発し,野田村の玉川層模式地に向かいました.最初に米田海岸の砂岩層を観察し,玉川層を覆う津波堆積物も見られました.つぎに,玉川野営場から南の海岸に露出するのカキ化石礁,斜交葉理,赤色泥岩層および基底礫岩の露頭を観察しました. 久慈琥珀博物館に行き昼食をとった後,近くの大沢田川支流の左岸に露出する,ボーンベッド(脊椎動物化石の化石密集層)を観察しました.ここでは小学生がサメの歯の化石を発見しました.その後,琥珀博物館を見学し,15時すぎにホテルみちのくまで送っていただきました.

 本例会開催にあたっては、久慈市、久慈方市教育委員会には、御協力を賜りました.久慈琥珀博物館には館内の見学だけでなく,懇親会・巡検のバスや昼食,さらには巡検の長靴まで,たいへんお世話になりました.ありがとうございました.

会場風景 巡検での集合写真

当日のプログラムは, 化石研ニュース No.130 をご覧下さい。


第35回 総会・学術大会が開催されました

 化石研究会第35回総会・学術大会が,6月3日(土)・4日(日),福井県立恐竜博物館を会場として行われました.本大会の参加者は34名でした.

  1日目は13:00から記念講演,福井県立恐竜博物館の 野田 芳和 副館長による「手取層群の恐竜動物群」.その後,17:20までシンポジウム「手取層群の層序と生物相ー前期白亜紀のアジアの陸上生態系の解明をめざして」が行われました.6人の演者から手取層群の地層・化石について多方面の研究成果が発表され,興味深いお話を伺うことができました.
 夜は,福井市内に会場を移し,懇親会が行われ,地元福井の料理を楽しみながら,交流を深めました.

 2日目は,10:00から15:30まで,一般講演の口頭発表とポスター発表が行われました.長尾類化石・カメ類化石・モササウルス類化石・大型植物化石・概日リズム同調因子メラトニンの象牙質や象牙が細胞への影響・オポッサム類の出生後の顎の形成過程・哺乳類の足印化石・ヒトデ類の生痕化石といった,様々な発表がありました.

会場風景 ポスター発表会場で

当日のプログラムは,化石研ニュース No.129をご覧下さい。


146回例会が開催されました

第146回例会が11月20日、開館20周年を迎えた滋賀県立琵琶湖博物館で開催されました。
 シンポジウム「琵琶湖とその生物相のおいたち」では,4名の講師により,400万年の歴史を持つ琵琶湖の生い立ちやそこに棲む生き物についての新知見が報告されていました。
 世話人の高橋啓一会員をはじめ琵琶湖博物館のみなさまには当日の準備・運営など,たいへんお世話になりました。ありがとうございました。

会場風景 シンポジウムの様子

当日のプログラムは,化石研ニュース No.127をご覧ください。


第34回 総会・学術大会が開催されました

第34回総会・学術大会が6月11日(土)・12日(日)の2日間,早稲田大学で開かれました。
 1日目は,シンポジウム「カメ類の起源と進化を考える」(世話人:平山 廉会員),化石および現生カメ類の観察会が行われました。カメ類の甲羅の起源・発生プログラム・化石記録からわかった進化と発生・多様性と適応・生物地理・解剖学的な特徴 など,興味深い研究が発表され,議論はカメとは何かという神髄に及びました。その後,会場から徒歩3分の「高原牧場」懇親会が行われ,昔話から現在の課題など,親睦を深めました。
 2日目は,総会議事と個人講演が行われました。総会では2015年度事業報告・2016年度事業予定,予決算が承認され,会誌投稿規定の改訂案などが議論されました.この投稿規定案に関して,会員の皆さまのご意見を伺い,第50巻第1号(2017年6月発行予定)の編集から施行するよう,編集委員会にお願いすることになりました。
  準備・運営に当たられた早稲田大学の皆さんにお礼申し上げます。

会場風景 懇親会場での記念写真

当日のプログラムは,化石研ニュース No.126 をご覧下さい。


第144回例会(高郷)が開催されました

第144回例会(高郷)が11月14日と15日の2日間、タカサトカイギュウ(Dusisiren takasatensis)が産出した福島県喜多方市にある喜多方市カイギュウランドたかさとで開催されました。参加者は72名(二日間で述べ109名)でした。
 シンポジウム「日本の海棲哺乳類化石」は、5題の講演や展示解説だけでなく、カイギュウやクジラ類の化石が実際に産出した阿賀川の河床に場所を移しての塩坪層の巡検もあり、多岐にわたる充実した内容でした。14日夕方には、市内のふれあいランド高郷に場所を移し、温泉を満喫した後に懇親会が盛大に行われ、饅頭の天ぷらや取れたばかりの地元の新蕎麦などが振る舞われました。
 本例会開催にあたっては、喜多方市、喜多方市教育委員会、喜多方市ふるさと振興株式会社に御協力を賜りました。そして会場である喜多方市カイギュウランドたかさとの職員の方々には当日の運営のみならず、会場や駐車場の準備や後片付けでもたいへんお世話になりました。ありがとうございました。

会場風景 巡検での集合写真

当日のプログラムは,化石研ニュース No.124 をご覧下さい。


第33回 総会・学術大会が開催されました

第33回総会・学術大会が6月6日と7日の2日間、静岡市清水の東海大学海洋科学博物館で開かれました。シンポジウム「深海環境と生物」、個人発表、自然史博物館・海洋博物館見学と盛り沢山の内容で、大変意義のある会でした。6日夕刻からは水族館の大水槽の前で懇親会が行われ、悠々と泳ぐ魚たちを見ながら(魚たちに眺められながら?)、話に花を咲かせました。 準備に当たられた東海大学の皆さんにお礼申し上げます。

会場風景 大水槽前で懇親会

当日のプログラムは,化石研ニュース No.123 をご覧下さい。


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