第42回(通算第159回)総会・学術大会の報告
2024年6月1日(土)~2日(日)に第42回(通算第159回) 総会・学術大会が早稲田大学・早稲田キャンパスで開催されました。参加者は2日間で73名と多くの方が参加し,盛会に終わりました。
今回は,完全に対面での実施となり,シンポジウム,総会,一般講演,および「平山化石コレクション」の見学などが行われました。
1日は,午後1時から5時までシンポジウム「白亜紀脊椎動物の古生物学的研究の現在と未来」が行われ,6名の講演者から,岩手県久慈市と野田村に分布する久慈層群(中生代後期白亜紀)から発見された多様な脊椎動物化石(サメ類,カメ類,トカゲ類,ワニ類,恐竜類,哺乳類など)や地層の放射性年代について最新の研究成果が紹介されました。また「首長竜」の俗称で知られる海生爬虫類の鰭竜類については,その独特な遊泳様式が関心を集めました。その後,1時間ほど平山会員の化石コレクションを見学。レストラン・グッドモーニングカフェに移動して,41名が参加して懇親会が行われました。
2日の一般講演では,8名の方がそれぞれの研究を発表され,哺乳類の比較機能形態学やナウマンゾウの臼歯の時代変異,埋没林の化石フロラと化石ファウナ,イトマキヒトデ化石,デスモスチルスの歯,ニホンザルの歯のセメント質における年周期成長線,歯のエナメロイドについてなど多岐にわたりました。
2日間のシンポジウム・個人講演ともに活発な議論が行われ,有意義な集いとなりました。また,今回の総会・学術大会に参加された方のうち7名が新たに入会されました。
早稲田大学の平山 廉会員には,シンポジウムの企画だけでなく,コレクション見学の準備や懇親会の予約,当日の設営・運営など大変お世話になりました。改めて厚く御礼申し上げます。
(名取和香子)
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会場内の受付の様子 |
1日のシンポジウム |
平山化石コレクションの見学 |
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懇親会は超満員 |
懇親会後の集合写真 |
2日の個人講演での討論 |
プログラムは,化石研ニュース 151号 をご覧ください。
化石研究会 第158回例会の報告
第158回化石研究会例会が2023年11月26日(日),群馬県富岡市の群馬県立自然史博物館で同博物館との共催事業として開催されました.
午後1時30分から2時30分まで,群馬県立自然史博物館の学習室で,講師に郡司芽久氏(東洋大学生命科学部助教)をお招きして,講演会「キリンの骨ってどんなかたち?骨からわかる生き物の進化」
が行われました.参加者は化石研究会会員13名,博物館募集による参加者39名,合計52名でした.
キリンの骨の数,中手骨の長さ,蹄の大きさ,頭骨の長さの三択問題を出題され,参加者はそれに引き込まれて,キリンの骨格・大きさを理解することができました.次に,偶蹄類の角には3つの種類があること,また,化石のキリンの角にはいろいろな形のものがあること,キリンの系統,キリンの頭骨には性差があり,雄のものは大きく,骨が厚いということを説明されました.そして,長い首をささえる棘突起と靭帯を示され,キリンの解剖学的特徴を分かりやすく解説していただきました.
講演会終了後,講演会を行った学習室の隣の実験室で,4時過ぎまで講師を囲み茶話会を行いました.12人の参加者の自己紹介・近況報告などを行い,講演では聴くことのできなかった,キリンの血圧や系統分類,デスポーズなどに関する質疑,また,さまざまな話題で,楽しい時間を過ごすことができました.
なお,博物館から招待券をいただき,常設展と企画展「ポケモン化石博物館」を観覧しました.ネットに依る観覧予約が必要とのことでしたが,多くの親子連れが来館していました.
今回の例会全般を企画され,会場の運営全般についてお骨折りいただきました群馬県立自然史博物館の髙桒祐司会員・木村敏之会員,ご講演いただきました郡司芽久氏に感謝申し上げます.
(小幡喜一)
「学芸員の重要性についての声明」を公表 2017年4月25日
創設50周年記念出版
「化石から生命の謎を解く--恐竜から分子まで」
化石研究会編・朝日新聞出版(2011年4月)
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